最近、化粧品で目にする幹細胞培養液、 再生医療の幹細胞培養との違いとポイントは?

幹細胞 幹細胞培養液

肌のケアを徹底している人ならば、化粧品を選ぶ時、ブランド名や価格だけでなく、化粧品の成分にまで気を配っているはずです。そこで注目されているのが、ここ数年であっという間に広がりを見せている幹細胞培養液の成分が入った化粧品です。再生医療で使われている幹細胞と市販されている化粧品に含まれている幹細胞培養液、含まれている言葉は同じですがどんな違いがあるのでしょうか?

幹細胞の基礎知識

幹細胞培養液とは、幹細胞を培養する時に分泌する分泌液のことです。まずは幹細胞について触れておきましょう。

・幹細胞とは

人間の身体は数十兆の細胞で構成されています。その細胞は日々失われたり、新しく生まれたりしながら入れ替わっています。ケガや病気をしても細胞は傷ついたり失われたりします。そこで、失われた細胞の代わりに新しい細胞を補充する役目があるのが幹細胞です。幹細胞は違う種類の細胞になることができる分化能と自分とまったく同じ形になる自己複製能力があります。そのため、どんな細胞が失われても幹細胞が新しい細胞として細胞の復元、補充を行ってくれます。幹細胞はすべての細胞にとって欠陥を治してくれるオールマイティで医者のような存在とも言えます。

・幹細胞を利用

今、再生医療の分野では幹細胞を使った治療が実施され始めているところです。未だ発展途上ながらも糖尿病、脳疾患、心筋梗塞、肝臓や肺などの疾患改善、関節、肌、血管の若返りに今までにはない治療効果が望めると大きな期待が寄せられています。

肌に幹細胞が重要な理由

ケガや病気を回復させ、健康を守るという重要な働きがある幹細胞ですが、肌にとってもその存在はかかせません。肌にハリや潤いを与えているのは、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸です。しかし、それらを生み出している細胞は線維芽細胞です。そしてさらにその線維芽細胞を生み出しているのが幹細胞なのです。幹細胞が肌の真皮層に十分に存在していれば、肌にトラブルが起こっても、ダメージを補うべく線維芽細胞を生み出し、そしてその線維芽細胞がコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸を生み出し大きなダメージとなる前にトラブルを改善します。しかし、幹細胞の数量は加齢とともに減少します。幹細胞の量が少ないとそれらの成分はわずかしか生み出されず、シワやシミ、たるみとなってしまうのです。

そのため美容の世界では幹細胞に注目をした、さまざまな研究が重ねられてきました。美容医療の分野でもコスメの分野でも今までの足りなくなった成分を「補う」方法から「生み出す」方法へと大きな前進を始めました。

しかし、コスメの分野で幹細胞自体を化粧品の成分として使用することは規定上できません。そこで幹細胞を培養する時に出た分泌液を成分に含ませたコスメが販売されるようになりました。それが幹細胞培養コスメです。

コスメで使用している幹細胞培養液は?

市販されているコスメやサロンで使用されているコスメで使用できる幹細胞培養液は上記にあげたヒト由来の幹細胞を含め3つです。

・ヒト由来幹細胞培養液

ヒトの脂肪由来の幹細胞を培養した時に出る分泌液です。成長因子、サイトカイン、ペプチド、アミノ酸などの有効成分が含まれています。細胞の表面にあるレセプター(受け入れるかぎ穴のようなもの)に成長因子が合致すると細胞レベルに肌の再生を働きかけます。成長因子が含まれている分、商品の値段は高額です。

・植物由来幹細胞

長期間腐らないリンゴなど特別な植物を使用した植物由来幹細胞。抗酸化作用、保湿などに効果があるとされていますが、成長因子は含まれていません。

・動物由来幹細胞培養液

羊の胎盤などから採取された幹細胞です。拒絶反応、アレルギー反応を起こすこともあるためあまり使用されていません。

幹細胞培養液入りの化粧品は商品ページを見ると、化粧水や美容液、パックなど数種類あります。しかし化粧品で幹細胞自体補うことが不可能なため、幹細胞を補った時のように細胞を修復することも、新たな細胞を生み出すことも叶いません。また、化粧水は肌の表皮に塗ります。有効成分を肌の真皮層にまで届ける工夫はしていても、実際にどの程度の成分が真皮層にまで届いているかははっきりとしたことは言えません。

幹細胞と幹細胞培養液と聞いただけでは区別はつきにくく、目指す到達点は同じため勘違いしがちです。しかし幹細胞を補充することと、幹細胞培養液を表皮に塗布することは、明らかに異なるものということは念頭に置く必要があります。幹細胞を増やそうとするならば、再生医療を行っている専門の医療機関にかからなければなりません。

医療機関で幹細胞を培養して増殖する

厚生労働省で認可されたクリニックでは、自身の細胞を採取して、無菌操作が可能な施設で培養します。培養された幹細胞は点滴で注入します。直接血液に届けるため、新たな幹細胞が血管をめぐり身体の幹細胞の絶対数が少ないところを見つけ補充します。そのため肌では線維芽細胞が足りないところにも行き届き、新たな細胞を生み出してくれます。

細胞が活性化され、増殖することで肌や血管、その他いろいろな場所の機能が回復し始め同時に、肌の内側から肌のハリやツヤが自然に生まれることが望めます。

幹細胞と幹細胞培養液は根本がまったく異なりますが、さらに幹細胞の場合は自分の細胞を採取して増殖します。自分の細胞を使用するということは、当然ながらもっとも自分にフィットするため、その効果の大きさも言うまでもありません。

現在厚生労働省の許可を受け、幹細胞補充療法を行なっている医療機関はごく限られています。インターネットでも購入できる化粧品と医療機関で受ける幹細胞補充療法、手軽さの差と効果の差は比例していると言えるのではないでしょうか。

まとめ

化粧品の研究も日進月歩で進んでいますが、現時点ではまだまだ手軽に化粧品で細胞を増やすことはできません。しかしもはや現実の選択肢として幹細胞を補う方法は存在しています。

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