美肌治療だけじゃない!
線維芽細胞を使った進化を続ける医療とは

線維芽細胞

当クリニックでも行なっている「線維芽細胞療法」は、真皮に存在する線維芽細胞を一度体外に取り出し、増殖してふたたび肌に戻すことで、肌の若返りを図る再生医療です。
線維芽細胞には、コラーゲンやヒアルロン酸、エラスチンなどの美肌成分を生み出す能力があります。加齢で量が減少してくため、たくさん増殖させることで肌の内側からのエイジングケアを叶えます。

※)線維芽細胞
自家培養真皮線維芽細胞移植術(再生医療第2種) :計画番号 PB3170025
線維芽細胞を使用した治療はこちら→http://natucli.com/cell/fibroblasts_prp_stemsup/#fibroblasts
現在、この線維芽細胞が他の医療分野においても注目されています。詳しく解説します。

痛んだ心臓の修復を助ける「心臓線維芽細胞」


冠動脈が閉塞して心筋細胞に大きなダメージを負う心臓発作。損傷した心臓では、死にかけた細胞と細胞の残骸の除去や、免疫細胞の補充、血液供給を回復させるための新生血管の形成修復などがすぐに始まります。その際に、心臓線維芽細胞は血管の内面を覆う内皮細胞に転換し、心臓の修復を助けることがわかっています。
線維芽細胞は、種類によってはコラーゲンやヒアルロン酸を生み出すだけでなく、構造的に変化を起こして別の細胞になるという驚きの事実が、総合学術雑誌「Nature」の2014年10月30日号で発表されています※。

https://www.nature.com/articles/nature13839

 

病気の「マーカー」として期待される線維芽細胞


医療の分野で使われる「マーカー」という言葉をご存じでしょうか? これは臨床検査において、疾病や生理的状態を示す物質のことを指します。
例えば、がん検診で行われる「腫瘍マーカー検査」とは、がんがあった場合に増える特定のたんぱく質や酵素、ホルモンなどが、血液中や尿中にどのくらいの量があるかを調べ、がんであるかどうかを診断する検査方法です。
このように診断や治療の指標になる物質のことを「マーカー」と呼びますが、近年、線維芽細胞をマーカーとして使用する動きが見られるようになりました。

 

肺線維化をもたらす線維芽細胞を、新たな診断マーカーとして研究中

根本的治療法のない肺線維症という病気があります。肺線維症とは、肺の末端にある肺胞の間質が、さまざまな原因で起こる炎症により厚く固くなる「線維化」が進行した状態のことです。肺のふくらみが悪くなり、酸素吸収効率も悪化することで、息苦しくなり咳が出る「間質性肺炎」と呼ばれる病気が進行すると、肺が縮んで一部は線維性成分の固まりとなり、肺として機能しなくなります(肺線維症)。特発性肺線維症では、国内で1万人以上もの患者がうるとの発表があります※。
この肺線維症に、「悪玉細胞」として線維芽細胞が関わっていることが解明されました。詳しいメカニズムはいまだに不明ですが、活性化した線維芽細胞が線維化部位に移動して集積し、I型コラーゲンを大量に産生することが明らかになっています。さらに活性化線維芽細胞では細胞外高分子や、細胞周期、細胞移動に関わる分子の遺伝子発現が高まっていることが分かっています。
そこで、この線維芽細胞を「マーカー」として動きを明らかにすることで、将来的に肺線維症の新たな診断・予防・治療法の開発につながるのではないかと期待されています。

※参照元:「肺線維化をもたらす線維芽細胞が病変部位に集積するメカニズムの一端を解明」
科学技術振興機構(JST)・東京大学 大学院医学系研究科 共同発表
https://www.jst.go.jp/pr/announce/20130722/index.html

がん間質形成過程において動員される線維芽細胞

人間のがん組織は、がん細胞とそれらを取り囲む多種類の間質細胞(線維芽細胞,血管構成細胞,免疫担当細胞)から構成されています。特に線維芽細胞は、がん間質の形成過程において動員される主な細胞になります。
がん細胞が増殖する際には、骨髄細胞由来の線維芽細胞などが多数動員され、健康な臓器の微小環境を改築して、がん細胞にとって適した新しい微小環境を作り出します。こうしてがん転移は飛躍的に促進されてしまいます。
がん間質に動員された線維芽細胞の性質と状態は、がんの悪性度と相関するため、この線維芽細胞を「マーカー」として起源やメカニズムを解明することが重要視されています。

※参照元:「がん組織を構成する線維芽細胞の起源」
http://microscopy.or.jp/jsm/wp-content/uploads/publication/kenbikyo/43_2/pdf/43-2-104.pdf

線維芽細胞の研究は上記2例だけではありません。他にも様々な研究で、病気のメカニズムの解明に関わる物質として注目されています。
こうした研究の際には、線維芽細胞を蛍光染色して観察する方法がしばしば行われています。

線維芽細胞の研究がもたらす未来

肺線維症のように、一部の原因は特定できておらず根本的治療法もない病気や、日本人の2人に1人が罹患するといわれているがんの新たな原因解明に、線維芽細胞が使われています。線維芽細胞の研究が進めば、新たな病気の治療薬や防止法がつくられるかもしれません。このことから線維芽細胞は美肌だけでなく、人間に健康に役立つ細胞と言えるでしょう。
また線維芽細胞を使った美肌治療は、「再生医療」の領域になります。治療を受ける際は、国から認可を受けたクリニックで受診することをおすすめします。

ナチュラルハーモニークリニック表参道では、「再生美容」として「線維芽細胞」と「PRP」を用いたエイジングケア治療をおこなっています。「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」を遵守し、再生医療第2種と再生医療第3種の提供計画書が受理されています。

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