化粧水で、線維芽細胞は補うことができるのだろうか?

化粧水 線維芽細胞

毎日必ず手にする化粧水、せっかくならば少しでも肌に効果があるものを使いたいと思うのは当然でのことです。今、コスメ通の間では、美肌の決め手になる細胞「線維芽細胞」の成長因子を含む化粧品が話題となり、種類も販売数も右肩上がりに伸びています。コラーゲンやヒアルロン酸を生み出す線維芽細胞に毎日使う化粧品で気軽にアプローチすることができれば、こんなにカンタンなことはないのだけれど、実際はそんなことが可能なのでしょうか?

そもそも化粧水の役割は?

まず基本的なこととして化粧水にはどんな役割があるのでしょうか? 化粧水は肌に潤いを与え、肌の水分量を増やしているのではと思いがちですが、実際は洗顔で失った水分を補い、その後につける乳液やクリームの有効成分を肌に届ける土台作りがその主たる役割です。化粧水は肌を整えるためにあると言えます。

表皮と真皮

肌は大きく分けると肌の表面に当たる表皮とその直下にある真皮に別れています。実は、一般的な化粧水が届くのは表皮までです。

表皮には厚さが0,2ミリしかない薄い膜ですが、肌を守るバリア機能とターンオーバー機能という需要な役割があり、有害な物質や紫外線から肌を守り、ターンオーバーで古い皮脂を外に排出します。

そしてその下にあるのが真皮です。真皮にはコラーゲン、エラスティンといった肌の弾力を支える成分とヒアルロン酸という肌のみずみずしさを支える成分を内包し、それらの成分を生み出してくれる線維芽細胞もここにあります。真皮の層で肌を支えているため、たるみやシワを防ぐためには真皮に働きかける必要があります。しかし、従来の一般的な化粧品では真皮までその成分を届けることは不可能でした。

線維芽細胞とは

真皮の層にある線維芽細胞とは、コラーゲンやヒアルロン酸という肌の若さと美しさのために必要な成分を生み出す細胞のことですが、加齢とともにその数量は減少します、また、紫外線やストレスの影響からもその数は減少し、残っている線維芽細胞の働きも悪くなります。そのことにより、コラーゲンやヒアルロン酸が生産されにくくなり、肌にはシワやたるみといった老化のサインが現れ始めます。そのため、外側からどんなに化粧品で水分や栄養分を補っても、シワ予防にはなってもシワを改善することまでは不可能ということになります。そこで化粧品に線維芽細胞の成長因子を配合した次世代化粧品に注目が集まるようになりました。

線維芽細胞増殖因子入り化粧品

繰り返しになりますが、化粧水は表皮にまでしか浸透しません。しかし、表皮には線維芽細胞成長因子の受容体が存在します。そのため、線維芽細胞の成長因子入り化粧品を使えば、真皮にまでその成分を浸透することも理論的には可能とされています。成長因子が真皮に届いたならば、線維芽細胞にアプローチすることも期待できるかもしれません。

成長因子が含まれた化粧品は、今インターネット販売を中心に急速にシェアが拡大されつつあります。確かに化粧品で線維芽細胞を活性化させることができればこの上なく手軽です。

ただし、線維芽細胞がコラーゲンやヒアルロン酸を生み出し、肌の若返りに重要な働きをすることは、あくまで体内で作り出された場合です。化粧品の、成長因子含有量は厚生労働省によって定められています。成長因子が含まれた化粧水を肌表面に塗った場合どの程度真皮層に吸収されるか、そこでどれほど線維芽細胞にアプローチできるかは現時点では未知数だとも言えます。毎日のケアとしては、有効成分が肌に届きやすい分、化粧水としては優れていても、肌老化の根本的な解決策になるほどの効力があるかというと明確な答えは出せません。

肌再生医療なら、真皮層に直接届けることができる!

比べて、美容外科で行う肌再生美容に関しては、線維芽細胞も線維芽細胞成長因子もそのままの状態で、確実に真皮層に届けることができます。しかも利用するのは自分の細胞や血液のため、拒絶反応やアレルギーの心配が少ないのも利点です。

肌再生医療には「線維芽細胞療法」と「PRP療法」の2種類があります。

線維芽細胞療法とは

自身の肌から線維芽細胞を取り出し、専用の施設で増殖・培養を行い、肌の老化が気になるところへ注射を用いて真皮層に注入します。元気な線維芽細胞が増えることでコラーゲン、エラスティン、ヒアルロン酸の生成が促され、肌が内側から潤いやはり、弾力が蘇ります。

PRP療法

自身の血液を採取したのち、遠心分離機にかけて成長因子が含まれている多血小板血漿(PRP)を取り出し、肌の気になる部分に注入します。成長因子が放出され、細胞を蘇らせコラーゲンの生成や表皮の成長を促してくれます。

いずれも肌の内側に直接届くため、大きな効果とそしてあくまで自然な若返りが期待できることが最大のメリットです。美容外科で行う肌再生療法はケアや対処療法ではなく、肌老化に対する根本的な治療です。

また、線維芽細胞療法に関しては、1度採取して培養した細胞は保管しておくことができるので、採取した年齢のままの細胞を、希望した時何年後にでも再注入することが可能で、望む限りの期間、何度でも肌の若がえりが叶えられます。

ただし、化粧品のようにパソコンの前に座り、ポチっとクリック1つでカンタンに手に入るわけではありません。肌再生医療は非常に高額な上、厚生労働省の認可が必要でごく限られたクリニックのみで行うことが可能です。また、線維芽細胞療法に関しては、培養に5週間かかります。あくまで細胞を増殖するため、時間をかけて次第に自然に肌の若返りを叶えるため、「すぐにでもわかりやすく改善したい!」という方には向かない治療法です。

高価で、時間がかかる分、誰にも指摘されないほど自然に、さりながら驚くほど望み通りに数年前の自分の顔を取り戻すことができる、今の所唯一無二の美容治療、それが肌再生医療だと言えます。

毎日の化粧品で手軽に若返ることは、まだまだ遠い先の夢物語かもしれません。しかし、再生美容という概念は、不可能を可能にする現実的な美容法として確かな形で実在しています。

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