コラーゲン、ヒアルロン酸を量産!! 線維芽細胞の培養法

培養 線維芽細胞

最新美容情報に精通している人は、肌の若々しさを取り戻す根本的解決策が肌再生療法であることはすでに知っているかもしれません。
自身の肌から細胞を取り出し、培養後、年齢肌の気になる箇所に注射で移植することで再び元気になった細胞が新たな有効成分を生み出し、肌を若返らせる施術方法です。この過程の中で理解しにくいのが「細胞の培養」ではないでしょうか? 一体、細胞を培養するとは、具体的にはどんな行程を経ているのでしょう。

人体を構成する細胞

人間の体は実に37兆個以上、200種類以上の細胞から構成されています。膨大な数の細胞がそれぞれの構造と役割を持ち、分裂したり、変化したり、入れ変わったりしながら人体を維持していきます。毎日大量の数の細胞が消滅して、そして生まれているのです。細胞の寿命はその細胞の種類によって大きく異なります。1日で消滅するものもあれば、生涯を同じ細胞のまま全うするものもあります。

線維芽細胞とは

その数ある細胞の中で、肌の保全維持に大きく関わる細胞のことを線維芽細胞と言います。線維芽細胞は全身のあらゆる場所に存在しますが、肌の真皮層の中にもあり、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸といった、おなじみの肌のはりや潤いを保つために必要な成分を作り出す働きをしています。線維芽細胞が活発に動いてさえいればそれらの有効成分を次々に生み出すことから、美肌には欠かせない重要な細胞と言えますが、加齢とともに線維芽細胞は、働きが悪くなり、数量自体も40代になる頃にピーク時の半分以下に減ってしまいます。また、紫外線やストレス、喫煙などの外的要因の影響も受けやすいため、本来まだ元気だったはずの線維芽細胞もそれらの理由で予想以上にダメージを受けてしまいます。

線維芽細胞を培養する

線維芽細胞の働きの低下と減少によりコラーゲンもヒアルロン酸も補充されにくくなると、人の顔はシワやシミができたり、たるんでしまったりする顔の老化現象が起こり始めます。

そこで、美容医療ではこの線維芽細胞をダメージの少ない部位の自身の肌から採取したのち、培養して移植する方法を行うようになりました。それが線維芽細胞療法です。その際、「採取した細胞を培養する」工程が必要になります。培養とは体外の人工的な環境設備の中で細胞を、増殖、そして維持することです。ここでいかに細胞を増殖し、いい状態で保管できるかは、施術を成功させる上でとても重要です。

培養はどこで行う?

再生医療を行うクリニックでは、採取した細胞を院内の施設や細胞培養センターに委託し、細胞の培養を行っています。細胞を培養する施設は、適切な温度・湿度に保たれ無菌状態であり、培養に必要なすべてを兼ね備え、常に安全・衛生など十分に管理された状態である必要があります。施設内で、専門性の高い技術者の手によって採取した細胞を数週間かけて約10,000倍にまで増殖して、丁寧に保管されます。

増殖された線維芽細胞は、注射を用いて患者さんの肌の老化が気になる部分に注入します。注入した箇所には数が減っていた線維芽細胞が増え、活性化しだし、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸といった有効成分を生み出します。そのことにより肌は内側から自然にはりや潤いが出てきて、みずみずしく若返るという仕組みです。

10,000倍まで増殖した線維芽細胞は、注入する分以外を凍結保存することもできます。

細胞を凍結保存する必要性

一定期間で体内に吸収されてしまうヒアルロン酸などを注入する場合と違い、線維芽細胞は体内に吸収されずに留まるのに、なぜ凍結保存してとっておく必要があるのでしょうか? それは、移植した線維芽細胞も他の細胞と同様に老化するからです。新しい細胞はしばらくの間、新たにコラーゲンやヒアルロン酸といった有効成分を次々に生み出してくれますが、年月が経過し他の細胞と同様老化し始めるとやはり働きが悪くなってしまいます。そこで再び保存しておいた線維芽細胞を注入することで、もう1度元気な線維芽細胞を肌に入れることができます。

凍結保存されていた線維芽細胞は、採取した年齢時の細胞のままでいて老化することはありません。2回目の注入を2年後に行うとすれば、実年齢より2年若い細胞を注入することができます。再注入を10年後に行えば10年前の肌を手に入れることも夢ではありません。当然ながら保管しておくのには、施術費用とは別の相応な費用もかかりますが、半永久的に採取時の肌に戻れるのは大きな魅力です。

限られた施設のみで行える施術法

これまでの美容医療は、足りなくなった成分を外側から補充することや、外側から引き上げる、などの方法で肌の若返りを図ってきました。しかし、効果は一定期間で何度も繰り返す必要があったため、時間的、身体的負担がありました。肌再生療法は内側から細胞自体を補充することが叶うので、長期的な効果を実現することができます。また、少しずつコラーゲンやヒアルロン酸が増えるので、突然若返るような違和感もなく、気がついたら自然と数年前の自分の顔に戻っていくという経過をたどるのもこの治療法の利点です。

肌再生療法には線維芽細胞療法以外にも自身の血液から成長因子のみを抽出し、補充するPRP療法などもあり、その可能性は無限に広がり、今後はもっと多くの人にとって若返り治療の強力な選択肢になる日がくるのではないでしょうか。

しかし、今はまだ細胞を培養する必要のある肌再生医療は、どこのクリニックでも行える施術ではありません。充実した専用の培養施設を保持、もしくは提携先を持っているのは当然ながら、繊細な再生医療を行える技術と知識、そして仕上がりの美しさを見抜ける審美眼のある医師がいてこその施術法です。

厚生労働省に認可を受ける必要がある施術なので、第二種計画番号を保持していないクリニックを選ばないなど、肌再生医療に興味を持ち持ったならば、納得いくクリニック選びが重要な課題になります。

「細胞を培養する」。私たちにはまるで遠い話だと思っていた科学が、再生美容として、急速に身近なものへとして近づきつつあります。限りない美容医療の進歩によって、失ったみずみずしい肌を取り戻すことができるのならば、年齢を重ねていくのも悪くないと思えるのではないでしょうか。

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