コラーゲンの生みの親、線維芽細胞
その生みの親は、幹細胞だった

幹細胞 線維芽細胞


若々しさを維持するために、多くの人が求めている「コラーゲン」。しかしコラーゲンの生みの親「線維芽細胞」は、20代を境に減少の一途をたどります。どうすれば線維芽細胞の減少を食い止め、なおかつを増やし、コラーゲンを手にすることができるのでしょうか?

コラーゲンを生むのは線維芽細胞


線維芽細胞は結合組織を構成する細胞で、全身に存在しています。細胞と細胞の間を埋めたり、支えたりと全身で重要な働きをしていますが、顔では、皮膚の真皮層に存在しています。真皮にある線維芽細胞は。肌のために非常に重要な役割があります

有効成分を生み出す

線維芽細胞は、コラーゲンのほか、エラスチン、ヒアルロン酸といった肌のハリ、ツヤを支える有効成分を生み出します。これらの有効成分を生み出すことができるのは線維芽細胞だけです。また古くなったコラーゲンを分解し、状態のいいコラーゲンを補充する働きもあるなど、美肌を維持するためには必要不可欠な存在です。さらに、自分と同じ細胞を生み出す能力もあります。

細胞修復能力

肌が小さな傷や損傷を受けたとき、線維芽細胞が傷口へ向かいコラーゲンを補充し、肌の修復を補助します。赤ちゃんの傷がすぐに消えてしまうのは線維芽細胞がたっぷり含まれているからです。

しかし残念ながら加齢で総数が減少する以外にも、紫外線やストレス、不規則な生活習慣などでも減少したり、弱ったりします。線維芽細胞の元気がなくなることで、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸が十分な数量作られなくなると、肌の真皮層はスカスカになり、やがてしわやたるみを引き起こしします。お肌のためにも、線維芽細胞の数量は少しでも多く維持しておきたいところですが、そのために知っておきたいのは、この細胞もまたおおもとの細胞があるということです。

線維芽細胞のおおもと、幹細胞とは

線維芽細胞を生み出す細胞、それが「真皮幹細胞」です。真皮幹細胞は細胞分裂の際、自分と全く同じ真皮幹細胞と線維芽細胞の両方を何度も回数を重ねて生み出します。
真皮幹細胞の幹細胞という言葉は、近年再生医療の分野で、大きく話題になっているため、耳にする機会もあったのではないでしょうか。わたしたちの体は筋肉、神経、血液、骨、心臓などすべてのものは細胞からできています。その細胞の一つひとつは体の機能を維持するために細胞分裂を繰り返していますが、中には寿命が短いものや、ケガや病気で失われてしまう細胞もあります。失われた細胞の代わりを再び生み出し、補充する能力を持つ細胞が「幹細胞」です。幹細胞には自分と同じ細胞を生み出す「自己複製能」と自分とは異なる細胞を生み出す「分化能」という2つの能力があります。真皮幹細胞は幹細胞の一種のため、その能力で、同じ真皮幹細胞と線維芽細胞を生み出しているのです。

肌に存在する幹細胞には真皮に存在する真皮幹細胞の他にも表皮に存在する表皮幹細胞もありますが、線維芽細胞を生み出すことができるのは真皮幹細胞だけです。真皮幹細胞は、肌の真皮層、血管周りに存在しています。この真皮幹細胞さえ十分な数量安定して存在していれば、線維芽細胞がどんなに減少しても、また新しい線維芽細胞を生み出すことができます。しかしこれもまた線維芽細胞同様年齢とともに減少してしまいます。
真皮幹細胞の減少を防ぐには、規則正しい生活習慣、運動、バランスのとれた食事など基本的な健康を保つ生活習慣が大切になります。しかし実際に数を増やすのは簡単ではありません。

再生医療で幹細胞を人工的に増やす

そこで再生医療では、研究が続けられ幹細胞を人工的に補う治療法を行うようになりました。すでに人気のある治療として、線維芽細胞を刺激する照射系の治療や再生医療の一種で自身の血液を使用して、成長因子を届け線維芽細胞の増殖を促すPRP療法などがあります。これらの方法も線維芽細胞に働きかけることで、コラーゲンなどの有効成分の生成が望めます。ただし、一旦は増えた有効成分も時間の経過とともにまた減少するため定期的な治療が必要です。

しかし幹細胞自体を増やすことができれば、幹細胞がまた新しい幹細胞に細胞分裂することが望め、その効果の持続期間は既存の方法よりずっと長くなることになります。

幹細胞を利用した皮膚の若返り

では、具体的にはどうやって幹細胞を新しく補充するのでしょうか。幹細胞療法の手順は、まず患者さん本人から幹細胞を採取します。採取するのは脂肪由来の間葉系幹細胞です。間葉系幹細胞には、必要に応じて骨、軟骨、脂肪などに分化することがわかっており、再生医療の治療でも使用されています。骨髄にも存在しますが、採取が容易な腹部からほんのわずかな量を取ります。その後専用の施設で増殖・培養したのち、点滴で体内に戻します。

点滴で体内に戻った幹細胞は血液に乗り、全身をパトロールして回ります。幹細胞には修復能力がありますので、全身の損傷がある場所、幹細胞の数量が足りないところを自ら探し補充や修復を行います。その際、肌に存在する幹細胞が十分でなければ、肌への幹細胞になり、肌の損傷のある部位には修復を行うので、働きが悪くなった組織の回復やコラーゲン繊維形成を行うこともわかっています。新しく補充された線維芽細胞は、補充後も細胞分裂を繰り返し、線維芽細胞を何度も生み出すことが期待されます。

幹細胞の補充は、体内の細胞を増やすことで組織から再生する肌の若返りのため、これまで行われてきた対処療法ではなく、根本的な解決にすらなりうる可能性があります。

ヒト由来の幹細胞とその他の幹細胞との違い

当然幹細胞の持つ可能性については、再生医学会だけでなく、肌について研究する多くの企業が注目しており、化粧品やエステでも多くの幹細胞の名がつく商品が出ています。しかしヒト由来の幹細胞を扱えるのは、厚生労働省が認可し、計画番号を取得した医療機関だけです。 化粧品やエステで使用されているものはヒト由来の幹細胞を培養した時に出る培養液、もしくは植物由来の幹細胞なので、全く別のものになります。

肌の若さのためには、コラーゲンも大切ですが、一番重要になってくるのはコラーゲンを生み出す、線維芽細胞であり、幹細胞です。ただし、幹細胞を補充できるのは、再生医療を行なっている医療機関だけということを知っておく必要があります。

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