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肌・皮膚の若さを支えるのは、真皮幹細胞だった。

幹細胞 真皮

みずみずしい肌、弾力のある肌、これらは肌の若々しさ、美しさを左右する絶対的な条件です。これを支えているのは肌の真皮層です。真皮層とはどんな部位で、どうして肌の美しさを左右するのでしょう。真皮層について詳しく見てみましょう。

肌の構造は加齢とともにどう変化する?

皮膚は大きく分けると表皮、真皮、皮下組織で構成されています。加齢によってどこの層も少しずつ変化し、やがて肌の老化につながります。表皮はターンオーバーが乱れ、乾燥しやすくなり、皮下組織は脂肪が減少して土台が崩れ始めます。しかしもっとも変化の影響が外見に影響を与えるのは真皮層です。

真皮の構造

真皮層は平均すると2mm程度の厚さがあり、その中には真皮を構成する主要なタンパク質であるコラーゲンが網目状に存在しています。コラーゲンを結びつけるのがエラスチンで、その隙間を縫うように存在するのがヒアルロン酸です。加えてこれらの成分を生み出す線維芽細胞、線維芽細胞を生み出す真皮幹細胞、血管、リンパ管、汗腺などがあります。

真皮の役割

真皮は、わずか0.2mmしかない表皮を支え、肌の弾力やハリを保つ働きがあります。また真皮には刺激に対するセンサーがあり、体温を調節し、真皮に走る血管は表皮に酸素や栄養の補給も行うなど、肌にとって見た目にも機能面でも重要な役割を持っています。

真皮が受ける加齢の影響

真皮の中を構成するコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸は、紫外線の影響、加齢、などで減少し始めます。どれか一つでも減り始めると真皮の中に隙間ができ始め、やがてスカスカになりシワやたるみにつながります。肌のダメージが真皮にまで及ぶと回復するのはかなり難しくなります。

肌のハリのなさやたるみを改善しようとするならば真皮への対策が必要なのです。しかし、真皮をケアするのは難しいことです。なぜなら表皮の角層にはバリア機能が備わっており、外からの異物の侵入を防いでいます。そのため化粧水や美容液を塗っても、その成分が届くのは表皮までになります。

真皮を良好な状態に保っておくために必要なこと

真皮の中を有効成分で満たしておくために注目したいのは、真皮幹細胞です。コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸といった真皮のハリを支える成分は線維芽細胞という細胞から生まれます。近年では線維芽細胞を活性化することでコラーゲンを生み出そうと、線維芽細胞を刺激する化粧品の開発や、美容医療が行われています。それももちろん有効ですが、それ以上に注目されているのは、その線維芽細胞を生み出している真皮幹細胞という存在です。

真皮幹細胞の数が十分あり、働きが活発な場合、線維芽細胞が次々に生み出されるため、線維芽細胞を活性化させなくても、十分な数の有効成分が生み出され続けることになります。真皮幹細胞とはどんな細胞なのでしょうか?

真皮幹細胞とは

真皮幹細胞とは、真皮層に存在する幹細胞のことです。幹細胞は全身に存在し、さまざまな細胞になる分化能と、自分と同じ細胞を生み出す自己複製能という2つの能力を持っています。その能力を活かして、その場所、場所で消滅したり、傷ついたりした細胞の修復、補充する重要な働きをしています。真皮幹細胞は、真皮の中で、他の細胞の様子を見ながら、必要に応じて自分のコピーを生み出したり、線維芽細胞を生み出したりしています。

真皮幹細胞の存在場所

真皮幹細胞は、真皮の中で血管周りに存在しています。血管周りに安定して存在するためには、成長因子の存在も必要です。

真皮幹細胞も老化する

肌にとっても重要な働きがあり大きな可能性を持つ幹細胞ですが、他の組織同様加齢の影響や日々のダメージの影響を受けて働きが悪くなったり、総数が減少してしまいます。また幹細胞の活性化を支える成長因子の発現も同じように減少します。

研究成果が示す、真皮幹細胞の増殖

幹細胞の減少を食い止めるため、自分でできることは日常生活で食事や生活習慣に気を配ることです。しかしそれが現実的にどの程度現象を止められるかははっきりしたことは言えません。そこで多くの研究機関で、幹細胞を補充する方法が検討されてきました。

化粧品やサロン

最近よく目にするのが幹細胞と名前がつく、化粧水などの基礎化粧品です。しかし幹細胞を扱うことができるのは、厚生労働省から認可を受けた機関に限られます。化粧品やエステサロンで使用される際に含まれる幹細胞の成分は、植物由来の幹細胞、もしくはヒト由来での幹細胞を培養する時に出る培養液です。培養液には成長因子など、線維芽細胞を刺激できる有効成分は含まれていますが、幹細胞自体はまったく含まれていません。

再生医療を行う医療機関で行われる幹細胞療法

幹細胞そのものを増やすことができるのは再生医療を行なっている医療機関だけです。
医療機関では、本人の幹細胞を採取し、専用の施設で増殖・培養したのち、点滴で体内に戻す方法で幹細胞を増やすことができます。

本人から幹細胞を採取する際は、脂肪由来の幹細胞を採取します。脂肪由来の幹細胞は、骨、軟骨、脂肪などに分化する能力があり、採取する場所も豊富で負担も少なくてすみます。体内に取り入れられた幹細胞は、全身をめぐりダメージのある場所、細胞の数が足りない場所を自ら見つけ修復する性質があるため、真皮層の幹細胞が足りなければ、真皮にとどまりそこで新しい細胞を増殖します。

幹細胞が示す可能性

再生医療ならば、減ってしまったり、働きが悪くなってしまった幹細胞を再生させて、再び動きを活性化することも、その数を増殖させることも現実的です。幹細胞の数を増殖することができたなら、皮膚の若返りはもちろん、血管、骨、関節といった年齢とともに不調が出やすい場所にも幹細胞が補充に回り、機能が改善することも考えられます。合わせて男女の更年期症状の改善までも期待が持てます。

幹細胞を増やすことができれば、皮膚だけでなく全身の若返りさえも夢ではありませんが、現状では幹細胞を移植できるのは厚生労働省から認可を受けた限られたクリニックに限られています。幹細胞療法に興味を持ち問い合わせを行う際には、トラブルを避けるためにも必ず認可されたクリニックであることを確認してから行うようにしたいものです。

真皮は肌の若さを左右する重要な部位です。幹細胞を実際に増やすことができるという情報は、今後の医療においても、美容においても大きな可能性を示していると言えます。

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