40代を過ぎる頃になると、肌の変化を感じる女性が多いですよね。ハリが無くなってほうれい線が気になりだす。データによると、コラーゲンやエラスチンをつくる役目の線維芽細胞の数が、40代を境に急に減少する結果が出ています。元気な細胞が減るから肌が薄くなって老化が始まる…
『ならば、線維芽細胞を増やしてしまおう!』という発想で、その方法を探ってみましょう。
線維芽細胞って増やせるの?
『はい、増やすことが可能です。』いきなり答えから入ってしまいましたね。
但し、人の細胞を増やすことができるのは、徹底した管理の下で細胞を操作する専門施設のCPC(細胞培養センター)が必要不可欠になります。(※1)
どう増やす? - 線維芽細胞 -
まず、耳の裏側からわずか米粒大の皮膚を採取します。耳の裏の皮膚は、肌の中でも紫外線の影響を受けにくく肌細胞が若いとされています。
その後、専門機関の細胞培養センター (CPC)で、皮膚の中から肌細胞(幹細胞)を取り出して培養技術で10,000倍にまで増殖され、同時に活性化した状態に保たれます。増殖が完了するまでに約5週間、培養のスペシャリストによって厳重に管理されます。
年齢に関係なく増やせるの?
肌再生医療は、自分の細胞を移植して減っていく線維芽細胞を増やす治療です。ご自分にとって細胞を採取する時が、一番若い時になりますから年齢に関係なく治療が可能です。中には80代の女性が治療を受けたお話もあるくらいです。50代だろうと60代だろうと、質の良い細胞をきちんと移植して、現段階の最高の肌を維持していことが、肌再生医療の目的ということになります。
線維芽細胞を保管する
注入後の余った肌細胞は、液体窒素によって-196℃で凍結保存され、そのままの状態で30年以上の間保管が可能なのだそうです。
この技術は、肌再生医療の最大のメリットかもしれません。
今のご自身の肌細胞を保管して、1年後・5年後・10年後…いつでも注入ができて、何年たっても、保管した時の若い肌細胞を利用して、老化スピードをコントロールできる可能性があります。
株式会社セルバンクCPC(細胞培養センター)は、24時間稼動の完全無菌室で外界とは遮断され、汚染を防ぐための様々な方法が取られています。また、細胞を扱う教育を受けたスペシャリストだけが入室出来るようになっていて、徹底した無菌操作を行う厚生労働省から認可を受けている施設です。
線維芽細胞と美容医療
現在、線維芽細胞にアプローチする美容医療は、大きく分けて2つあります。
1つは、線維芽細胞を刺激することで、線維芽細胞の働きを活性化させる治療法です。
もう1つは、ご自分の皮膚を採取し培養増殖した細胞を注入移植して、肌そのものを根本から改善する治療をご紹介します。
【1】線維芽細胞を刺激して活性化させる治療
【美容医療マシンによる照射治療】
光や高周波、レーザーなどを皮膚に当てて熱を加えることで、肌の線維芽細胞に刺激(ダメージ)を与え活動を活性化させる目的の治療です。それによって、肌のハリや引き締めが期待できます。ダウンタイムが少なく手軽に受けられる治療ですが、もともと持っている繊維芽細胞の数や質に左右されるため、結果には個人差があるようです。
【FGF注入】
FGF(繊維芽細胞増殖因子)には、コラーゲンを増やす働きがあると言われ、主にシワ治療などに用いられています。通常、角質層より以下の真皮層へは成分が届かないと言われていますが、皮膚表面にあるFGF受容体とFGFが結びつくことで、真皮内の線維芽細胞に活性化の指令を送ることができるようです。注入したFGFが正着しないので、定期的な注入が必要になります。
【PRP療法】
PRP療法はご自分の血液から抽出した血小板を用いて肌の再生を行う治療です。線維芽細胞を呼び覚ます機能があり、肌の活性化につがる意味では再生医療に近いかもしれませんが、細胞を使用していないので正確には再生医療ではありません。
もともと血小板は傷を治すことで有名で、目元のシワや影、ほうれい線などに効果があると言われています。半年から1年程で再注入が必要になります。
【2】自分の細胞を移植する若返り治療
【線維芽細胞注入療法】(肌再生医療)
肌再生医療は、ご自分の肌細胞を移植して真皮内の線維芽細胞を増やし活性化させ、肌のハリや弾力など、肌老化全体を改善することを目的とする治療です。
実際は、自分の皮膚を採取して、約10,000倍の線維芽細胞を増殖します。それをシワやたるみに移植することで、真皮のコラーゲンやエラスチンの生成を増やし、肌全体の若返えりを可能にする根本的な治療になります。さらに、活性化された肌に2〜3年ごとの細胞移植をプラスしていくことで、ごく自然な若々しい肌が維持できると言われています。
肌の老化は、肌細胞の減少と質の低下が招くものならば、その数と質を保てれば、薄く弾力を失った肌が、ふっくらと若々しい肌でいられるということになりますよね。
肌再生医療によって、健康な肌の司令塔、線維芽細胞を増やせるということがわかりました。
線維芽細胞の役割 はこちら
線維芽細胞とは? はこちら
-196℃のタイムカプセル
肌の再生医療は、若い時の線維芽細胞(幹細胞)を培養し、先端技術で長期間にわたって保存することが可能とされています。言ってみれば、若い時の細胞をタイムカプセルに封じ込めておくわけです。
肌再生医療の切り札として注目を集める、肌細胞の保管技術について調べてみました。
細胞を保管する技術
注入後の余った細胞は、専門機関の細胞培養センター (CPC)の液体窒素で-196℃で凍結保存する技術によって、そのままの状態で30年以上の間保管が可能とのこと。
例えば、食べ物を長持ちさせるのに0℃〜—20℃くらいで冷凍させるのですが、厳密にはまだ内部にわずかに水分が残っています。このわずかに残っている水分を完全に結晶化させるためには、-130℃以下の低温を維持しなければならないとされています。
60%以上が水分の人の細胞も同じ理論です。細胞がその機能を保持したまま活動を休止し、解凍後に活動を再開できるような凍結保存技術が確立されています。
保管専門機関であるセルバンク(※1)の場合、液体窒素を使い-196℃の環境下で細胞を長期間保存しています。-130℃以下の状態を安定して保つために必要な条件として、徹底管理のもとで「-196℃保存」を行っています。
ナチュラルハーモニークリニック表参道の再生医療
ナチュラルハーモニークリニック表参道の再生医療では、厚生労働省の認可施設である株式会社セルバンクの細胞培養センター(CPC)へ、採取した皮膚から線維芽細胞の培養増殖、保管管理までを委託し、徹底管理を行っています。
また、今まで培ってきた美容医療との組み合せにより、お悩みの顔・頭皮・身体への美容と健康ケアを行うトータルウエルネスを目指す「再生美容」をご提案し、あなたの老化スピードのスローダウンと予防医療をご提案しています。
肌再生医療のクリニックを選ぶチェックポイント
再生医療を行えるクリニックは、厚生労働省から第2種・第3種再生医療などの提供計画書を受理されていなければなりません。計画番号を保持し、症例数や治療内容などが明確かなどを基準に選ぶことが大切です。
ナチュラルハーモニークリニック表参道は、再生医療等の安全性の確保等に関する法律を厳守し、再生医療第2種と再生医療第3種の提供計画書を受理されています。