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幹細胞ってなに?  化粧品から再生医療まで、使用されている「幹細胞」に迫る!

ピックアップ 幹細胞

新聞やテレビなどでよく目にする再生医療のニュースに、必ずといっていいほど「幹細胞」というキーワードがでてきます。再生医療とは「機能障害や機能不全に陥った生体組織や臓器に対して、細胞を利用してその機能の再生をはかるもの」とされています。再生医療は、この文中に出てくる細胞(=幹細胞)なくして語ることはできません。

ところがこの幹細胞について、なんとなく分かっているようで、実は詳細を知らないという方も多いのではないでしょうか。詳しく説明します。

そもそも幹細胞とは?

幹細胞とは、私たちの身体の中にも存在している細胞の一種で、失われた組織を補充する能力を持った細胞のことです。身体の中に存在する様々な細胞を生み出し、怪我やダメージなどで失われた組織を補充する能力を持っています。

 

幹細胞の働きとは?

幹細胞には、他の細胞と異なる2つの能力が備わっています。

そのひとつは、自己と同じ幹細胞が増殖する【自己複製能力】です。幹細胞は分裂をくり返すことにより、自分と同じような形と能力を持つ別の細胞をつくり出すことができます。

ふたつめは、他の組織細胞に変化する【分化能力】です。幹細胞は必要に応じて、他の組織細胞に変化することができるのです。

この2つの特性を持つ成体幹細胞として、人間の体内では、脂肪幹細胞、臍帯血、胎盤、骨髄から採取される幹細胞が挙げられます。とりわけ脂肪幹細胞は、採取が容易で多くの量を採取できることで注目を集めています。

化粧品業界で応用される幹細胞

「幹細胞 美容」などとインターネットで検索すると、医療情報と共にコスメ(化粧品)の情報が大量に表示されます。エイジングケアを目的とした美容液やクリームなどに、幹細胞の培養液などが配合され、一般に販売されているのです。まさに再生医療ブームを背景に誕生した、化粧品業界の新たな一大カテゴリと言えるでしょう。

 

・幹細胞コスメの種類

このコスメに使用される幹細胞には「動物由来」、「植物由来」、「ヒト由来」の3種類があります。

「動物由来」の原料には、羊の毛根や胎盤から採取された幹細胞が利用されています。羊は人間の幹細胞に近いと考えられていますが、アレルギーなどの安全性の問題や、動物の飼育や原料の抽出が衛生的であるかどうかなどの問題があり、日本ではあまり流通していないようです。

次に「植物由来」ですが、過酷な環境下で傷ついた細胞を再生させる力を持つ、特定の植物の幹細胞が使用されており、高い抗酸化力・保湿力が期待されています。

最期に「ヒト幹細胞由来」、これはヒトの皮下脂肪から採取した幹細胞を培養する際の「幹細胞培養液」が使用されています。

 

・ご注意ください! 配合されているのは“培養液”

一見すると、あたかも幹細胞が化粧品に配合されているように見えますが、日本では化粧品に細胞を配合することは禁じられています。そのため「ヒト幹細胞由来」は、幹細胞ではなく、先述の通り幹細胞を培養した際の培養液が配合されています。

 

・肌のエイジングケアや薄毛治療に応用される「ヒト幹細胞由来」

「ヒト幹細胞由来」培養液には、幹細胞は含まれていないとはいえ、組織の再生を助ける生理活性物質(成長因子)やペプチドなどが豊富に含まれています。そのため、これを美容医療に応用した治療も存在します。

この培養液は「ステムサップ」と呼ばれ、当クリニックでも肌のエイジングケアや、薄毛治療に応用されています。

ステムサップを使った美肌治療はこちら →

ステムサップを使った薄毛治療はこちら →

 

再生医療に使われる幹細胞とは?

それでは、再生医療に使用されている幹細胞には、どのようなものはあるのでしょうか。現在、再生医療で注目されている幹細胞は3種類ありますが、それぞれの由来や能力などに違いがあります。

 

人間の胚から誕生した「ES細胞」

ES細胞とは日本語で「胚性幹細胞」と呼ばれます。受精卵に非常に近い能力を持ち、人間のからだを構成するあらゆる細胞に変化することができる多能性幹細胞です。1998年米ウィスコンシン大学のトムソンらが不妊治療(体外受精)で余った受精卵を用いてヒトのES細胞を樹立したと報告されました。これにより、一気に再生医療研究の期待が高まりましたが、人間の受精卵が必要とされることから、生命倫理の問題が解決できず、現在では応用が進んでいない状況です。

 

研究が進むヒト由来幹細胞「iPS細胞」

そこで登場したのが、受精卵を使わずに多機能性幹細胞をつくるという試みです。皮膚細胞などの体細胞に4つの遺伝子を加えて培養し「iPS細胞」と呼ばれる万能細胞が誕生しました。このiPS細胞は神経細胞や心筋細胞、脂肪細胞、軟骨細胞など様々な組織に分化します。この研究により京都大学の山中伸弥教授がノーベル生理学・医学賞を受賞したのは記憶に新しいところです。

現在では、加齢黄斑変性・パーキンソン病・脊髄損傷・糖尿病・血液製剤などの臨床に適用が進んでいます。

 

健康増進が期待される「自己脂肪由来幹細胞」

上記の2種類の細胞は万能細胞と呼ばれ、あらゆる細胞に分化する万能細胞を有しますが、自然に体の中に存在する成体幹細胞は、筋肉・骨・軟骨・脂肪・肝臓・肌など決まった部位に分化します。その代表的な幹細胞が「自己脂肪由来幹細胞」です。

これは、自分の腹部や臀部(お尻)などにある脂肪から取り出した幹細胞で、現在再生医療においてさまざまな臨床に適応されています。

特に脂肪細胞から取り出した幹細胞には、病気やケガで失われた細胞を新しく補うという性質が知られています。脂肪幹細胞は血管やリンパ管の中を移動し、損傷された部位を自ら探して、修復・再生のために向かっていく性質があり、これを「ホーミング効果」と呼んでいます。この効果を応用して、体内の痛んだ部分を修復・再生させられないかと、日々研究が続けられているのです。

例えば鳥取大学では、乳がんの乳房温存術後を受けた後の陥凹変形に対して、自己脂肪組織由来細胞(幹細胞を含む)を注入する乳房再建の臨床研究が行われました。通常の脂肪注入より脂肪の生着率が高い(90%)といったメリットがあります。実際に受けた女性からは、テレビの取材に対し、そのメリットについてコメントの記載がありました。※

http://www2.hosp.med.tottori-u.ac.jp/introduction/3105/3106/21193.html

 

当クリニックは「自己脂肪由来幹細胞」を使った再生医療をご提供しています。

当クリニックでは、加齢による症状や更年期症状などの改善を目指した「自己脂肪由来間葉系幹細胞による点滴療法」を行っています。これは、ご自身の脂肪細胞を採取して

専用の施設で培養を行い、点滴で投与して生体機能の向上を図る再生医療です。脂肪幹細胞を増殖・活性化させた最適な状態の幹細胞を1回につき約8,000万個〜1億5,000万個投与し、更年期障害をはじめとするエイジングによる身体の不調を改善することを目的としています。

幹細胞の働きを応用して治療ができる病気や怪我などが、これからもどんどん広がっていくことでしょう。

※)自己脂肪由来間葉系幹細胞

更年期障害に対する自己脂肪由来間葉系幹細胞による点滴療法(再生医療第2種) :計画番号 PB3160029

自己脂肪由来間葉系幹細胞による点滴療法はこちら →

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