肌の加齢が気になる方で、積極的にサプリメントを摂取する“内側からのスキンケア”を行っている方も多いと思います。有名な肌の三大成分に「コラーゲン」「エラスチン」「ヒアルロン酸」があり、それぞれを主成分とした美肌サプリメントが数多く存在します。
この三大成分を真皮層の中で生成する細胞が「線維芽細胞」であり、最近では直接「線維芽細胞」にアプローチすることで、美肌を叶えようとするサプリメントも登場してきました。
それはいったいどんなサプリメントなのでしょうか。
コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸の製造工場 線維芽細胞
そもそも線維芽細胞とはどのようなものでしょうか?
私たちの肌は3つの層に分かれており、表皮、真皮、皮下組織の順番で構成されています。線維芽細胞は、真皮の中に存在し、ハリや弾力のもととなるコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸を作り出す製造工場のような役目を果たしています。
この繊維芽細胞が元気なうちは、弾力と潤いのある若々しい肌を保つことができます。ところが加齢や紫外線、ストレスや活性酸素などが原因で繊維芽細胞が働かなくなると、コラーゲンやエラスチンが変形してヒアルロン酸が減少します。その結果、肌にシワやたるみがあらわれます。
そこでよりコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸を生成してもらうために、線維芽細胞にアプローチする成分を摂取しようという考えのもとにサプリメントはつくられています。
線維芽細胞にアプローチする成分とは?
線維芽細胞そのものはサプリメントに配合することは認められていません。そこで、「線維芽細胞を活性化する成分」を配合したサプリメントが主に販売されています。下記の主な成分を挙げてみます。
線維芽細胞を活性化する成分
体内で線維芽細胞を活性化する成分には、以下のようなものがあります。
〈コラーゲン〉
近年の研究で、摂取したコラーゲンぺプチドには線維芽細胞を増やす働きがあるということが判明しています。
〈プロテオグリカン〉
動物の皮膚に含まれる糖タンパク質の一種です。成長因子に近い働きをして線維芽細胞を活性化させます。
〈ビタミンC〉
ビタミンCは、水溶性で強い抗酸化力を持っており、線維芽細胞が活発に働く手助けをします。
〈レチノール〉
レチノールはビタミンAの1種で、油脂に溶ける脂溶性ビタミンのひとつ。繊維芽細胞を活性化させます。
〈FGF〉
FGFとは線維芽細胞増殖因子(Fibroblast Growth Factor)のことで、繊維芽細胞そのものを増殖させる因子です。
〈プラセンタ〉
線維芽細胞増殖因子(FGF)が多く含まれている成分のひとつがプラセンタです。
〈イソフラボン〉
女性ホルモン様作用をもつ大豆イソフラボンは、線維芽細胞を活性化します。
このような成分をサプリメントに配合し、経口摂取することで、線維芽細胞に働きかけようとします。
なかでもコラーゲンは特に注目されており、国内の健康食品メーカーにおいても線維芽細胞を増やす成分として研究・製品化が進められています。
日常生活で補える成分もあり
実は、サプリメントに限らず、普段の生活の中でも線維芽細胞にアプローチする成分を手軽に補給することができます。
〈緑茶〉
緑茶に含まれる抗酸化成分・カテキンは、活性酸素によって線維芽細胞が減るのを防ぐ働きのあることがわかっています。
〈コーヒー〉
コーヒーに含まれるクロロゲン酸には、線維芽細胞の生存をうながす働きがあります。クロロゲン酸はコーヒー豆に含まれるため、インスタントコーヒーではなく、豆から淹れたコーヒーを飲むとよいでしょう。
サプリメントを含む健康食品は、本当に効果があるのでしょうか? 肌に塗るより体内から摂取したほうがより効果的なイメージがありますが、実はそうではありません。
サプリメントは、エビデンスに裏付けされ、臨床効果が認められている「医薬品」ではなく、あくまで「栄養補助食品」でしかないのです。これは錠剤でもドリンクでも同じです。病気を治す医薬品とは異なり、明確な効果の裏付けはないのです。
線維芽細胞を効果的に増やすには?
それでは線維芽細胞を増やすために、どのようなアプローチができるのでしょうか?
医療の分野では、線維芽細胞自体の数を増やしてエイジングケアを行う治療がもう始まっています。それが再生医療を応用した「線維芽細胞療法」です。
これは本人の「線維芽細胞」を採取したのちに、専用の施設で増殖・培養し、加齢の気になる部分に移植する治療法です。皮膚から約10,000倍に培養した線維芽細胞を移植するため、確実に量を増やすことができます。
これにより加齢によってできた深いシワやたるみ、肌のくぼみなどの改善をめざします。まさに「再生美容」ともいうべき再生医療による美容治療です。
線維芽細胞を使用した治療はこちら
線維芽細胞療法は、ご自身の細胞で行うエイジングケアです。サプリメントのように身体全体に作用するのではなく、シワを消したい部位にのみ移植することができます。注入は注射のみで行うためとても手軽。
さらに採取した線維芽細胞は保管することもできるため、例えば5年後に再度お受けいただく際に、ご自身の5年前の細胞を使うことができるのです。
治療は厚生労働省に認可されたクリニックで
「線維芽細胞療法」はどのクリニックでも受けられる治療ではありません。組織の培養が必要なため、大掛かりな設備や専門技術者による培養技術が必要とされます。また、厳重な品質管理体制も問われるため、治療を受けることのできるクリニックは限定されているのです。
さらに再生医療を行う美容クリニックは、厚生労働省が認可した特定認定再生医療委員会に「再生医療等提供計画」を提出し、基準に適合しているかどうかの審査を受けなければなりません。認可が下りた美容クリニックには計画番号が授与され、再生医療施設として認められます。
なかには無認可で肌再生医療を行うクリニックもあり、治療を受ける前にそのクリニックのホームページなどで、認可されているかどうかを確認することが重要です。
ナチュラルハーモニークリニック表参道は認可クリニックです
ナチュラルハーモニークリニック表参道では、「再生美容」として「線維芽細胞」を用いたエイジングケア治療をおこなっています。「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」を遵守し、再生医療第2種の提供計画書が受理されています。