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若さのカギを握る? 増殖因子って一体何?

増殖因子 線維芽細胞

美容に興味がある人なら「線維芽細胞」というワードはすでに知っているのではないでしょうか。線維芽細胞とはコラーゲンやエラスティン、ヒアルロン酸を作り出す肌にとっても重要な細胞です。では、増殖因子というワードはどうでしょうか? イメージがわかないことはないけれど、よく輪郭がつかめないという人も多いかもしれません。増殖因子とは具体的にどんな働きがあって、肌再生医療にどういった関係があるのでしょうか?

増殖因子はどんな役割がある?

歳を重ねるごとに、肌やからだに何かと不具合を感じるようになるのはいろいろな原因がありますが、その中でも、「ヒト成長ホルモン」の減少は大きな原因の一つになります。

ヒト成長ホルモンは、20歳頃の分泌をピークに減少し始め、40代で20代の半分にまで減ってしまいます。若々しい肌やからだを手に入れる続けるためにはヒト成長ホルモンの分泌を活性化させることが大切なことだと言われています。半分に減るとはいえ、ヒト成長ホルモンはいくつになっても新たに作り出すこともできます。良質な睡眠、適度な運動、バランスのとれた食事などがその生産の手助けをしますが、欠かせないのが「増殖因子」の働きです。ヒト成長ホルモンは増殖因子によって活性化され、新たに生み出されるのです。

この増殖因子は、成長因子(グロスファクター)とも呼ばれ、ヒト成長ホルモンを始め、様々な細胞の成長・増殖を促進するにとどまらず、キズを治すというとても重要な役割があります。他にも新陳代謝を促進する、自律神経のバランスを整える、抗ウィルス作用がある、など健康と美容に大きな関わりがあります。一口に増殖因子と言っても、種類も多く、からだの中それぞれの役割がありますが、肌に関しては、若さとみずみずしさを保つために欠かせない存在です。

 

若い肌に必要な増殖因子

肌に関する増殖因子には主に以下のような種類もあり、いずれも肌の修復・再生に関わり、細胞の増殖を促すという大きな働きをしています。化粧品などでも増殖因子(成長因子)が配合された商品も多く販売されているほど、増殖因子は美肌に必要不可欠なものです。

〈FCF〉

線維芽細胞成長因子。線維芽細胞の組織を修復させる肌にとってはとても重要な因子で、コラーゲン、ヒアルロン酸を産生させます。

〈EGF〉

表皮増殖因子。表皮の細胞の成長促進、ターンオーバーを促し、肌を整える役割があります。血管新生、創傷治癒を促進する働きもあります。

〈PDGF〉

血小板由来成長因子。線維芽細胞などの細胞増殖に関与していて、血管を新生し修復する働きもあります。

〈VEGT〉

血管内増殖因子。血管内皮細胞を増殖・新生する働きがあります。

〈TGF-β〉

ベータ型変質増殖因子。上皮細胞、血管内皮の増殖、新生をします。コラーゲン、エラスティンの働きも強化し、肌に弾力を与えます。創傷治癒を促進します。

 

しかし、残念ながらこれらの増殖因子も他の有効成分と同じよう、子どもの頃はたくさん体内で作られていても年齢を重ねるごとに製造量が減っていきます。増殖因子が減ることで細胞が活性化しにくくなり、新陳代謝のスピードが落ちていき、肌のターンオーバーは乱れていきます。若い頃と違って傷跡がいつまでも治らないのは、増殖因子の数量減少が原因とされています。

肌を少しでも若く、美しく保つためには日頃のケアと年齢に負けない細胞を作ることが大切です。増殖因子だけでなく、美しい肌に必要な成分や細胞は年齢とともに減ってしまいます。減っていく数を食い止めるためにも、細胞を元気で活性化させるためにも紫外線対策をきちんと行い、規則正しい生活、バランスのとれた食事、運動、睡眠、ストレス解消を心がけましょう。しかし、それでも自分で行えることには限界があります。

 

PRP療法で増殖因子を肌に注入

そこで、美容医療では肌の若返りのために血液の中から増殖因子が多く含まれる結晶板を使用する「PRP療法」を取り入れ始めました。患者さん自身の血液を採取したのち、遠心分離機でPRP(多血小血漿)を取り出し、肌の気なる箇所に注入します。PRPを注入することで、増殖因子が肌の内部に放出され、線維芽細胞、コラーゲン、ヒアルロン酸の生成を促します。

年齢の気になる目元や口元、額、眉間など顔全体にはもちろん、首や手にも注入できます。効果はゆっくりで、数ヶ月かけて自然に年齢肌が改善され始めます。ただし、劇的な変化を望む人には物足りないかもしれません。その上、PRP療法は施術する医師の技術、血小板の抽出の仕方などによっても効果に差が出ることもあります。

だからと言って、効果を上げるために、大きく変化を望める線維芽細胞因子(FGF)だけを注入するFGF治療を勧めるクリニックもありますが、FGFだけの使用はコントロールが難しく、肌がへんに膨らみすぎたり、シコリになってしまったりする危険もあります。望まない結果を招かずに済むように、肌再生医療を行いたいと思ったら、治療法、クリニック選びには慎重になる必要があります。

肌再生医療は厚生労働所の認可が必要

PRP療法や自身の線維芽細胞自体を培養・増殖して移植する線維芽細胞療法などは、再生医療になります。再生医療は、平成26年11月に施行された法律で厚生労働省が認可して計画番号を取得したクリニックでのみ提供できるようになりました。安全性の確保に関する手続きや、細胞培養加工のルールなど厳しく定められていることから、計画番号を取得したクリニックを選ぶことは、安心して施術を受けられる施設だという目安になります。

細胞レベルで若く美しい肌へ

もちろん、効果が緩やかだとはいえ、PRP療法も専門の知識、経験豊富な医師、管理された施設と揃っていれば肌の若返りにとても有効です。線維芽細胞療法もそれ以上の効果を実感できる施術法です。肌再生医療は、今まであった外側から足りないものを補う対処療法とは根本的に違います。これまでの治療法では、突然若返る違和感は拭えないこともありました。短期間で繰り返し施術を行う煩わしさもありました。今までと比べて、細胞レベルの治療なので、根本から自然にゆっくりと気がついたら若く、キレイな肌へ導いてくれる点が実に優れています。また、その効果は長く数年単位で実感できるのも嬉しいことです。

私たちのからだは20歳ごろをピークに、いろいろな細胞が減少し始めます。増殖因子もその一つです。しかし、今は手をこまねいて見ているだけではなく、対処する方法に進歩があります。「いつまでも今のままの肌でいたい」という願いは、すでに叶わない願いではなくなりはじめています。

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